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「健康とは食すること」野菜の生産から加工品まで自ら手がける【株式会社ノウカス 鈴木孝幸 さん・尚美さん】

今回は、「健康とは食すること」と野菜生産からすべて自分で手掛けることで、安全・安心な野菜や加工品を作ることを心がけていらっしゃる鈴木孝幸さんにお話を伺いました。

モットーは『焦らず急がず背伸びせず。ゆっくり一歩一歩進んで行こう』で農業を営む

学生時代、大学にてバイオテクノロジーや遺伝子工学を学ばれた鈴木孝幸さん。卒業後は証券会社の経済研究所に勤務し、その後外資系のM&A・コンサルタントに転職。

農業と関係ない職に就くものの大学の頃から、胡蝶蘭の研究を趣味で行い、種から寒天培養で瓶の中に入れて発芽させ、一年間栄養を与えなくても成長していくものを作っていたそうです。研究の中で「体の中の細胞が弱くなってくると免疫力が落ちるそれによって成人病や様々な病気を引き起こしてしまう。」ということを学び、地力を持った土地で育った野菜を食べることが健康に繋がっていくと考えました。

そこで、体に良いものを栽培し、多くの方に食べて健康になってもらいたいと考え、40歳を過ぎたら農業で独立しようと考えていたそうですが、なかなか思うようにはならず、2018年に念願だった農業を始めました。

孝幸さんは、農業を始めたころ「体力があるように見えないから農家を続けることはできないよ。」と言われ続けましたが、耕運機1台からマニアックなものの栽培をコツコツと続けていきました。
「初めの2年間は、作っては捨て作っては捨ての繰り返しで大変な日々でした。」と当時を振り返ります。販売も直売所のみだったのでなかなか良い方向には進まなかったようです。

1年目は、野菜を栽培し半分の期間は営業、2年目は生産量を減らし営業活動に力を注いでいたところ、コロナが始まってしまいました。コロナが終息し販売ができるようになったときのために少量ずつでも栽培を続けて、今に至っています。

自分の手で、安心して販売できる野菜づくりを

会社名の「KnowCas」とは、農業にフォーカスを当て、農業のすべてを集約させるという意味が込められています。農業は一般的な知識でできるものではなく、自分が今まで経験してきたことを生かすことが最も大切なことと考え、孝幸さんが命名。

農業を始めたのは、自分で農作物の加工品を作りたいとの気持ちが大きくなったのがきっかけだそうです。もしもほかから仕入れた加工品の原材料に産地偽装問題などが発生したとき、販売できなくなってしまうリスクをとるよりも原材料となる野菜を自分で作っていくことでリスクを回避し、安心して販売できるものを作りたかったのだそうです。

量よりも質。自分が食べたいと思わないものは売らない

圃場ではニンニク・タマネギ・ビーツ3種・ニンジン・ハースニップなど、自分で食べてみたいものを作っているとのこと。「最近セロリが美味しいと思うようになったから、2022年はセロリアックを作る。」と話します。

孝幸さんは、各店舗からの要望に対応できるよう多品目多品種の野菜を栽培されています。かぼちゃは販売店舗から勧められて「味平」、トマトは美味しいと言われたから「フルティカ」、オクラはネバトロ3倍ペクチン2倍で大きく成長しても柔らかく食べられる「ヘルシエ」という品種です。

また多種多様なものを栽培し輪作していくことで畑が元気になっていく年間計画も立てているそうです。
多く作りすぎず各店舗への出荷量も多すぎず、各店舗から「無くなったので欲しい。」と注文を受けて野菜を持っていくくらいの量を考えながら日々出荷されているそうです。

野菜に向き合う理念は、「量よりも質。自分で美味しいと思ったものを栽培する。自分が食べたいと思わないものは売らない。」と決めているそうです。

家の庭には、酢を作る醸造所がありました。

大きな鍋などがきれいに並んでいます。その隣には、無菌状態に管理された加工場があり、ジャムなどの加工品を作っているそうです。奥様は栽培などを一緒にしつつ、ご主人の活動をサポートされています。おふたりの仲の良さが伝わってきます。

時代に合わせながら、未来にやさしくて良いものだけを作り続ける

「自分が納得できる、良いものだけを販売していこう」「焦らず急がず背伸びせず進んでいこう」と考えて良いものだけを自分のペースで作り続ける孝幸さん。「これからは、身の丈に合ったものを栽培していく。そして作業は人件費をかけず作業効率を上げるよう努め、安くて美味しい野菜を栽培していくことが大切だと思う」とも話します。

また、孝幸さんはこれからの未来を考えながら日々の作業に取り組んでいます。

「もしも除草など自分が手刈りで管理できる程度にしないで除草剤などを使ってしまうと、今は良いかもしれないが20年後、30年後、子供の世代になった時、土がやせて栄養分のない土壌となってしまうかもしれない。」と語ります。

さらに、核家族が多くなってくる中、ミニ野菜をパッケージにして販売していこうと、キャベツの代わりに芽キャベツ、冬瓜はミニ冬瓜。「一人用の鍋セット」や「ミニ野菜箱詰めセット」のような小分け野菜の販売を考えているそう。時代のニーズに合わせて無理なく消費できるのは嬉しいですね。


孝幸さんが作った菊芋酢やビーツ酢、ビーツのジャムはHPにて販売されています。ゆず酢もただいま製造中だそうです。

鈴木さんからお話を伺い、健康は食することがいかに大切なのかを改めて知ることができました。野菜のためにまた食する私たちのために良いものをコツコツと育てられている「KnowCas」は、どんな野菜や商品が生まれてくるかがとても楽しみです。これからも新たなものを作り続けてください。

取材・執筆:ふかやさいアンバサダー 福島玲子さん

 

ノウカス 鈴木孝幸さんの野菜が買える場所

・買える場所:
道の駅かわもと  食品館ハーズ ノウカス直販サイト

 

野菜の楽しさに
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肥沃な土地とお日様のチカラに恵まれ、全国有数の野菜・農業のまちとして知られる、ここ埼玉県深谷市。ベジタブルテーマパーク フカヤは、『関東の台所』とも呼ばれるこのまち全体を「野菜が楽しめるテーマパーク」に見立て、何度でも訪れたくなる観光地となることを目指しています。

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