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ミニトマトを中心にお洒落な野菜を提供していきたい 【グリーンネクスト(株)横川琢也さん】

自分が納得いく野菜を栽培しながら活動的にどんどん新しいことにチャレンジしている深谷市の農家さんの横川さんにお話を伺ってきた。横川さんは好奇心が旺盛な方でいつもアンテナを張って新しいことに挑戦されている。

野菜農家としての転機

横川さんのハウスは先日オープンした「ふかや花園プレミアムアウトレット」「深谷テラスヤサイな仲間たちファーム」からほど近い場所にある。大きなハウスが数棟あるが、お父様が花農家だったので以前はそのハウスの中はお花で埋めつくされていたそうだ。家業を継いでご自身もお花を栽培していた時期があったが、このご時世にお花の業績は思わしくなかった。何か新しいものを始めようと考えていたときにタイミングがやってきた。花の資材を取り扱う会社が始めた新事業で、野菜の栽培に関わる機械や苗などを提供してくれて収穫したものまで買い取ってくれるという画期的なパッケージがあることを知る。

ミニトマトにかける想い

最初のチャレンジは自然の流れでやってきた。そのパッケージを使って栽培をしている農家さんのミニトマトの味に感動して、ミニトマトをやってみようと決心する。そして山ほどある種類の中から選んだのは「紅乃雫」。
「今のミニトマトは甘さばかりを追求する傾向にあるが、お料理に使用したときに甘さや風味が飛んでしまうことがある。」と横川さん。「紅乃雫」はお料理に使っても甘み、コク、香りはそのままだ。
ミニトマトは生で食べるイメージが強いが、お料理にも使えるミニトマトを作ろう、とコンセプトが決まった。

「紅乃雫」が美味しいのは栽培方法にあった。根域制限栽培と養液栽培を取り入れている。
鉢の中の根をおさえて領域を制限するというストレスを与えて、糖度の高いトマトを作るという栽培方法だ。トマトハウスの中は鉢ごとに点滴チューブがささっていた。そのチューブは大きな水のタンクとつながっていて、中に液肥を混合して生育ステージによって濃度を変えながら毎日与えている。日光の紫外線の量を検索してある一定量になると自動的に水が出るようになっているそうだ。収穫が終わるまで常に与えているので栄養的にもいい状態が保てられる。トマトは病気が多いそうだが、もし温室に病気が出た場合でもこの栽培方法だと一鉢だけで済むというメリットがある。

次なるチャレンジもすぐにやってきた。
ミニトマトの栽培を始めて軌道にのってきた2年目頃に、深谷市にキユーピー(ヤサイな仲間たちファーム)の新事業の話があり説明会に参加。キユーピーさんのマルシェに並ぶ自分の野菜を想像した。
都内や遠方から多くのお客様が集まる場所になることは間違いないので今の時代に合う野菜が求められるはず。美味しい野菜を作るのはもちろんだが、見た目もきれいなものにこだわって作ってみようと思った。

可愛らしさが人気のミニ野菜

そして次にチャレンジしたものは「ミニ野菜」。
皆様はミニ野菜をご存じだろうか? 小さくてカラフルで何とも可愛い。写真などで見たことはあるかもしれないが、なかなか市場には出回っていないので見たことがある方は少ないのではないかと思う。

現在ミニのカブ、ニンジン、玉ねぎ、大根などを栽培している。
ミニ野菜は手の平にのる大きさで、一口で食べられるサイズ。実は普通の大きさの品種のものを根の動きを矯正して育つのを抑えているのだそう。小さいながらも味がぎゅっと詰まっていて、固くもなく食味は普通と変わらない。ミニ玉ねぎなどは「風味や香りが立つので、軽く火を通して玉ねぎスープの上にそのままトッピングとして飾ってほしいです」と話す。想像するだけでお洒落なスープになりそうだ。バーニャカウダ、サラダ、漬物、フィンガーフードなどパーティーやおもてなしのお料理にも大活躍すること間違いなし。

現在、「深谷テラスヤサイな仲間たちファーム」のマルシェには横川さんの野菜がきれいに陳列されている。数種類の葉物とミニ野菜をセットにして販売しているサラダセットは見た目も華やかで人気が高い。

取材に伺った日は東京から数名のシェフの方がいらしていた。
数年前に偶然通りかかった横川さんのハウス前にある無人直売所で購入したトマトを気に入って下さり、それから毎週仕入れに来て下さっているそうだ。その中のひとりとは横川さんのハウスで果樹園を一緒に始めようという話もしている。
「できるだけ農薬を使わないでレモンや柑橘類を作ってみたい」と夢は膨らむ。

「農家が種まきからお客様の口まで届ける」ということを一連の流れとしてできたらいいと思う

チャレンジは続く…これから深谷市で取り組んでいきたいものを伺ってみた。
「深谷市で育った野菜を、深谷市で調理して、深谷市で食べていただきたい」とすぐに返事が返ってきた。
それが実現できると考えたのが「キッチンカー」だ。たとえばハウスの横にキッチンカーを止めて、自分の野菜を使ったお料理をシェフに作ってもらって販売をする。
「温室に椅子とテーブルをセッティングしておけば、テイクアウトしたものをそのスペースで温室を眺めながら食べる方もいらっしゃると思う。」間違いなく癒しの空間になることだろう。また深谷市役所マルシェやイベントなどにもキッチンカーで参加していきたい。農家がキッチンカーでお料理を提供しながらも野菜の販売をするという新しい形態に挑戦してみたい。と次々と横川さんの口から飛び出す。様々な方向にアンテナを張っていることが横川さんのチャレンジ精神に繋がっているのではないだろうか。

自分が納得いく好きな野菜を作っていきたい

最後にこれからのビジョンを伺ってみた。
「深谷市を訪れた方々が観光がてらに見て喜んで下さるような、色々な品種の野菜が並ぶ色鮮やかな畑を目指したい。そして全国からシェフたちが集まって野菜を味見しながら野菜を選び、お料理に使ってほしいと思う。」と熱く語って下さった。

時代に合った消費者の要望に応えるために[見せる畑][魅せる野菜]にこだわる横川さんのチャレンジはこれからも限りなく続いていくことだろう。

取材・執筆:ふかやさいアンバサダー 李美栄

INFORMATION

グリーンネクスト株式会社

・住所    埼玉県深谷市大谷476-1
・TEL/FAX  048-571-9739

買える場所

深谷市内
・JAふかや川本農産物直売所
深谷市長在家1279-2
048-583-6120
・深谷テラスヤサイな仲間たちファーム
埼玉県深谷市黒田字上反54
TEL:048-580-7550
(深谷市外)
・JAふかや男衾農産物直売所
埼玉県大里郡寄居町大字富田114-1
048-582-0909

食べられる場所

(深谷市外)
レストラン
・Osteria Oliva Nera a Tokyo
東京都北区王子本町1-1-20
03-5948-9252

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