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深谷もやしは闘うもやし。ありのままのもやしを作り続ける 【飯塚 雅俊さん】

有限会社飯塚商店・飯塚 雅俊(いいづか まさとし)さんインタビュー

もやしとともに、つくり手の想いも、直接消費者へ届ける

「この間、デパート店頭で200㎏のもやしを売ってきたんだよ」と充実感にあふれた表情で少し照れたように話す(有)飯塚商店 代表の飯塚 雅俊さん。

父子二代にわたって、もやしを作り続ける深谷のもやし屋さんだ。

昭和34年に、父英夫さんが深谷の地でもやし生産を始め、平成14年に雅俊さんが跡を継ぎ、現在創業60年となる。

日々もやしと向き合い、育て、時には夫婦で対面販売まで行う。

もやしは創業当初スーパー等へ卸していたが、時代の流れとともに生産・出荷方法が販売店の基準に合わなくなり、徐々に取引が減少していった。

それでも頑なに先代から繋ぐもやしの生産スタイルを守り、自身が思う「本当のもやし」を作り続けた。

一時期は深谷から深谷もやしが消えるという事態も起きたが、地道に理解してくれる人や、共感してくれる仲間を見つけ、ファンを増やしていった。

現在も生産手法は変えず、直接消費者へ想いを届けられる店頭での量り売り販売や、もやし工場での見学の受け入れなどを積極的に行い、もやしの「活きている」現場を伝え続けている。

細くて長い骨太の「ブラックマッペ」へのこだわり

現在栽培しているもやしは主に「ブラックマッペ」と呼ばれる小粒の黒い豆を発芽させたもので、スーパー等でよく見かける「緑豆もやし」よりも細くて長い。

しかし、その軸は指で折り曲げようとしてもなかなか折れずしなやかで骨太。

食感はシャキシャキとした歯触りと歯応えが特徴的だ。

「エチレンというもやしを太くするホルモンを使わずとも水と豆の生命力・発芽熱だけで育てるとそうなるんだよ。もちろん、日々もやしの状態を観察していないとそうはならないけどね。」と雅俊さんはまるで我が子を自慢するかのようにはにかみながら言う。

さらに驚くのはもやし自体と同じ位の長さがあるもやしの根。

「根っこは茹でると出汁が出て、汁がいいスープになる。だから根を切ってから調理するなんてもったいない。」と雅俊さんは教えてくれた。

もやしの根が切れないように、軸が折れないようにと、収穫や袋詰めは全て手作業で行っている。

もやしは発芽から出荷まで1週間という短い栽培期間であるというが、その期間には雅俊さんの愛情がぎゅっと詰まっている。

もやしは野菜。もやしの『本当』を知ってほしい。

飯塚商店では、深谷もやしのほか、埼玉県の豆を使った「発芽大豆」も生産している。

生産者が少なくなってしまった在来大豆を絶やしてはならないとの想いで作り続けているのだと言う。

「宜しければ召し上がっていってください。」と、雅俊さんの妻、泰子さんが作ってくれた発芽大豆ごはんは一種類ごとの豆の違いが感じられ、シンプルながらもやさしい味。

深谷もやしを使った塩昆布和えやスープを作れば豆尽くしの食卓になる。

「もやしは野菜であり、豆は種なんです。そのありのままを伝えていきたい。もやしの本当を知ってもらいたい。」と雅俊さんは熱く語る。

今回、身近な野菜なのに、意外と知らないことが多いという事実に雅俊さんの話を聞いて初めて気づかされた。

だがその初めてのことを知る体験はとても面白い。

発芽の際、豆は熱を発し暗室で芽と根をぐんと伸ばす。

光の世界に出たもやしは雅俊さんと同様、キラキラと輝き生命力に満ちていた。

その輝きをぜひとも体験してもらいたい。

 

飯塚さんのもやしを…

【購入できる場所】
・とんとん市場 上野台店
道の駅おかべ
・花園ショッピングセンター食品館ハーズ 他

【味わえる場所】
パンチャ・ピエーナ
・旬ごはん やまだ家
・うどん茶屋 三男坊 他

野菜の楽しさに
何度も訪れたくなるまちへ。

肥沃な土地とお日様のチカラに恵まれ、全国有数の野菜・農業のまちとして知られる、ここ埼玉県深谷市。ベジタブルテーマパーク フカヤは、『関東の台所』とも呼ばれるこのまち全体を「野菜が楽しめるテーマパーク」に見立て、何度でも訪れたくなる観光地となることを目指しています。

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