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「マルツ食品」は日本から世界へ広がる深谷の漬物クリエイター集団

今回は、ふかやさいアンバサダーの福島が、深谷市の「マルツ食品株式会社 発酵食品の館」をご紹介します。

マルツ食品の成り立ち

マルツ食品は、野菜の宝庫である深谷で、渋沢栄一翁の生家「中の家」そばの横瀬にて、上武市場で野菜を買い入れ、トラックに積んで秩父の八百屋さんに卸していたのが始まりです。売れ残りの野菜・採れすぎて廃棄処分になる野菜を見てもったいない、これらをどうにかできないかとの思いから漬物にしてはと思いつき、漬物屋を開業したそうです。


マルツ食品のある旧岡部地区は、古くから浅間山の火山灰でできた砂地で根菜類の生育が良く、冬は大根作りが盛んな地だったので、沢庵を多く作っていました。夏は、専用の市場があったほどよく白瓜が採れたので、白瓜の漬物(奈良漬けなど)を作っていました。当時から漬物などの宝庫であった深谷ですが、製品加工まで行う業者はあまりありませんでした。

独学で磨き上げたクリエイター精神


マルツ食品の2代目で現店主の鶴田さんは、若い頃は家を継ぐつもりはなかったそうですが、お母さまが体調を崩したことをきっかけに、仕事をしっかりとやっていこう。様々なことにチャレンジしてみたい!と思い立ち、家業を継ぐことを決意したそうです。

息子さんである3代目も、父の背中を見ながら無我夢中で仕事に打ち込んで行き、今では発酵学の面白さを知りもっともっと学びを重ねたい言う気持ちを強く持ち始めたそうです。日本食に欠かせない漬物に至るプロセスや、フードロスの削減方法などに真剣に取り組むようになり、新商品の開発も手掛けていらっしゃいます。

漬物をもっと知って、食べて、楽しんでもらうために

10年ほど前に、2代目店主の「漬物をもっとおしゃれに食べてもらいたい!!」という熱い気持ちから漬物バーを開催。第1回目は青山に赤黒調の毛氈(もうせん)をひいて、黒い大きなお皿に漬物や漬物を使ったお料理を盛りつけて、ビュッフェスタイルでとってもらうスタイル。日本酒は、深谷に古くからある丸山酒造が提供しました。外国人も多く参加し漬物を楽しんだそうです。

第2回目は、深谷にある「ラヴィスヴィラスイート」にて、フランス料理のシェフが料理を作り、深谷にある漬物全てを使おう!!という声かけにより、なんと100人も集まったそう。

その後、川口市や栃木の足利市でも漬物酒BARを開催するなど、活躍の場を広げています。


最近では、多くの方に漬物を身近に感じてもらいたいという思いから、店舗にてぬか漬け教室やなら漬け教室を開催しています。実は私も教室に参加してきました。自分で作った漬物はまた格別のおいしさがあります。

世界で認められるマルツの味

また、日本食に興味のあるイギリスやドイツ・スイスに漬物を輸出。ミラノ万博の日本パビリオンでもマルツ食品の漬物が使われていたそうです。マルツ食品の漬物の味が、世界でも認められている証拠ですね。また、銀座の天ぷら料理の老舗、「天一」でも、酸味の効いた白瓜の芝漬けを提供。

マルツ食品の漬物は、添加物も入っていないので漬け汁まで料理に使うことができ捨てるところなしです。

「深谷の野菜から始まったマルツ食品だが、これからは日本全国のみならず世界の多くの方に日本の漬物のすばらしさをもっと伝えていきたい」と語る鶴田さん。是非お店で三代続くこだわりの深谷漬物スピリットに触れてみてください。

※商品の取り扱いや営業時間等、最新の情報は店舗へ直接お問い合わせください

取材・執筆:ふかやさいアンバサダー VTPライター  福島玲子さん

INFORMATION

マルツ食品株式会社「発酵食品の館」

住所  埼玉県深谷市岡部1974-5

TEL 048-585-3380

FAX 048-585-4893

駐車場  休日20台

平日 4台

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肥沃な土地とお日様のチカラに恵まれ、全国有数の野菜・農業のまちとして知られる、ここ埼玉県深谷市。ベジタブルテーマパーク フカヤは、『関東の台所』とも呼ばれるこのまち全体を「野菜が楽しめるテーマパーク」に見立て、何度でも訪れたくなる観光地となることを目指しています。

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