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野菜の流れを読み、顧客のニーズに応えるカメレオンファーマー【力丸敦夫さん】

力丸農園 力丸敦夫さん
インタビュー

カラフル野菜を生産。トレードマークは「ごぼうだもの」。

深谷市北部でカリーノケールなどのイタリア野菜や露地野菜を栽培する力丸敦夫さん。大学卒業後、家業である農業を継ぎ、長ねぎやごぼうなどを生産してきた野菜農家、力丸農園の3代目。野菜の生産の傍ら、自身が育てた野菜の加工品企画や販売なども行っている。

2013年、当時の生産の主力であったごぼうでなにか作れないかと六次産業化に取り組み、乾燥ごぼうやごぼう茶などを企画した。

力丸さんのトレードマークである「ごぼうだもの」Tシャツも野菜販売アイテムの一つ。なんと11色のバリエーションがあるのだとか。「日常の畑作業では白や黒、営業や収穫体験等ではオレンジや赤などシーンに合わせてシャツの色を変えてます。」とおちゃめに話す力丸さん。

圃場では種苗会社と連携した新しい野菜や珍しい野菜を少量多品目で栽培しているので見たことのない野菜やカラフルで形が面白いものが多い。力丸さんも畑もにぎやかである。

野菜の流れを知り、アイテムとしての野菜を相手に合わせて提案

力丸農園では年間約60種の野菜を生産し、売り先は市場や直売所、加工業者や飲食店などと幅広い。その理由を尋ねると「時代と売り先のニーズに合わせることで様々な販路が広がる。今(現状)が景色になっては、新しいことが見えてこない。可能性があること、チャレンジできることはできる限りなんでもやる。」と熱く語ってくれた。

力丸農園の広々としたカリーノケール畑

消費者が直接生産者の名前や顔を知ることができるのはマルシェや通信販売のような野菜販売のステージだが、一般的に野菜は市場等に集荷され、仲卸や加工業者を経由し小売店で販売され私たちの手に届く。力丸さんはそのどちらの野菜生産も担い自らを「野菜の原料屋【マテリアルファーマー】」と呼ぶ。

力丸農園ではさまざまな種類のなすが採れる

「野菜がなぜ一年中、常に売り場に並んでいるのか疑問に感じてほしい。安定的に野菜が食卓に届くのはいろんな人の手が繋がって滞りなく流れているからこそ。野菜が動く現場をいろんな人に知ってほしい。」と、一日中畑と売り場を行き来し慌ただしく過ごしながらも丁寧に野菜流通の重要性を話してくれた。

変化しながら考える おくりもの市場のリーダー

2020年コロナ禍。生活変容を求められ、生産者も野菜を使う飲食店も大きな打撃を受けた。そんな中、力丸さんは旬野菜を無償提供することで深谷市内の飲食店を応援する「ふかやのやさいびと おくりもの市場」の取り組みを農家仲間とともに開始。行き場を失った野菜を救い、飲食店に元気を取り戻してもらうだけでなく、新しい野菜や生産者を知ってもらうきっかけづくりやその後の連携に繋げていく企画である。

おくりもの市場での様子

現在、野菜提供の取り組みは終了したが、これが縁で知り合った飲食店とのつながりは途絶えていない。「おくりもの市場」の野菜が飲食店でのメニューに組み込まれたり、飲食店内での野菜販売をおこなったりと新しい展開が広がっている。

さらには飲食店とコラボした野菜の収穫体験や畑でランチ会、飲食店との畑でミーティング等様々な企画を開催中。まさにベジタブルテーマパークを地でいく農業のマルチプレーヤーである。力丸さんに展望を聞くと、「パープル農園、恋愛畑…。」夢と野望がたくさんありすぎてどうにも書ききれない。

野菜の収穫体験には多くの人が参加した

深谷の野菜・農業について話し合った「畑でミーティング」

力丸農園野菜の収穫体験についての記事はこちら
PORTO×力丸農園「野菜収穫体験&畑でランチ」イベント【開催レポート】

畑でミーティングについての記事はこちら
畑を舞台に生産者と飲食店が語り合う!『畑でミーティング』第1回が開催されました

 

置かれた場所で新しい色に変化していくカメレオンのような力丸さんに目が離せない。

 

力丸農園の野菜を…

【購入できる場所】

【味わえる場所】

旬ごはんやまだ家豚肉料理店シロッコカフェ花見ごはん亭家蔵Cafe&Dining PORTOFARMY CAFÉ ほか

[取材者|ふかやさいアンバサダー 牧野悦子

    野菜の楽しさに
    何度も訪れたくなるまちへ。

    肥沃な土地とお日様のチカラに恵まれ、全国有数の野菜・農業のまちとして知られる、ここ埼玉県深谷市。ベジタブルテーマパーク フカヤは、『関東の台所』とも呼ばれるこのまち全体を「野菜が楽しめるテーマパーク」に見立て、何度でも訪れたくなる観光地となることを目指しています。

    深谷へのアクセスはこちら
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