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やさいびと

高糖度トマト栽培の先駆け 「うまかんベェ~」生産者【丸山正之さん・恵さん】

丸山農園 丸山正之(まるやままさゆき)さん・恵(めぐみ)さんご夫妻
インタビュー

「これからもずっとトマトと共に。」農の価値を伝えるおしどり夫婦

埼玉県深谷市の岡部地域で栽培されている「うまかんベェ~」トマトをご存じだろうか。先のとがった、いわゆる「ファースト系」と呼ばれる品種で、スターマーク(先端から伸びる放射線状のライン)輝く高糖度トマト。名前の「うまかんベェ~」とはこの地方の方言で、「おいしいでしょ~?」という意味。このトマトを紹介する時、食べた人に「うまかんべぇ~?」と聞き、「うまい」と言わせたくなる味なのです。そんな「うまかんベェ~」トマトを作る丸山農園の丸山さん夫婦をご紹介します。

 

夢は夏の海外旅行!?夫婦で就農し、岡部地域の野菜を切れ目なく栽培

迎えてくれたのは物腰のやわらかな丸山正之さんと、明るくテキパキと仕事をこなす妻、恵さん。正之さんは深谷市の西部、岡部地域で農業を営む丸山家の三代目。うまかんベェ~トマトはじめ、ブロッコリー、ねぎ、きゅうり、大根等この地域を代表する野菜を切れ目なく生産している。

 

正之さんは幼い頃から何となく農家を継ぐことを意識していたものの、農業以外を学ぶべく別の業界へ就職。2013年8月、当時都内でOLだった妻、恵さんとともに夫婦で農家を継いだ。「農家を継ぐことに一瞬の迷いがあったものの、夫の覚悟にすんなり受け入れられた」と恵さんは当時を振り返る。今では正之さんの両親から様々な役割を引き継ぎ、夫婦で丸山農園を支えている。

就農当時、「夏は海外旅行に行けるよ~」とお義母さんに言われ心弾ませていたが、ゴーヤなどの夏野菜の栽培も始めたため年中忙しく、夏の海外旅行の夢はなかなか叶わない…と笑いながら話す恵さん。正之さんやお義母さんも苦笑いだが、そんな姿から家族の仲の良さがうかがえる。

 

ずっとトマトに囲まれ、野菜とともに暮らす

くっきりとしたスターマークのうまかんベェ~トマト

この地域では昔から漬物生産が盛んで、丸山家でも漬物の原料となる大根、しょうが、キャベツ等を主軸に農業を営んできた。現在は一次加工野菜の生産のほか、40年程前からきゅうりやトマトの施設栽培を開始。平成15年にはうまかんベェ~が商標登録され、本格的に高糖度トマトを栽培することになったという。
「糖度8度以上で形と見た目の良いものを【うまかんベェ~】トマトとして販売するため、その基準にあったトマトを栽培するのは難しいがやりがいがある。」と話す正之さん。天気や気温、湿度等でトマトに与える水を調整し、高糖度で濃厚な味を引きだしているのだとか。

 

うまかんベェ~トマトは野菜の枠を超えてもはや芸術品ではないかと思うくらい美しい。

お二人にインタビューしたのは5月。トマトの最盛期。正之さんはハウスで収穫、作業場では恵さんがトマトの選別作業を切れ間なくこなす。「この時期はずっ~とトマトに囲まれる毎日です」とにこやかに声を揃える。

トマトの仕分けの組み合わせはなんと70通り以上。トマトの「顔」みて選別するという。

糖度8度以上は【うまかんベェ~】の称号を与えられるが、7度以上8度未満は「ライプ」と呼び、仕分ける。サイズはLL~3S、形もとがっているものから扁平なものまであり、さらには傷の有無も判断し箱詰めする。大変な作業だがそれだけ、愛情と熱意をもってトマトが育てられているのを感じ取れた。

【うまかんベェ~】のおいしさとともに野菜の価値を届けたい

農業の盛んな深谷だが、後継者や生産者不足はうまかんベェ~農家にも看過できない問題である。部会を立ち上げた当初よりも生産者が減り、現在10名の農家でうまかんベェ~を生産している。「サラリーマン時代とは仕事の仕方や生活リズムも違うが、自分の責任でやりたいことをやれるという楽しさがある。」と正之さん。「“うまかんベェ~”の味には自信がある。ぜひ一度食べてほしい。」と力強く語る。
「ある日、間接的にうちのトマトを食べたお客様から“おいしかった”とお礼が届きました。トマトを通じて繋がっていくことがうれしいですね。そして、食べることがきっかけで農家や野菜の価値をもっと知ってもらえれば。」と穏やかに話してくれた。

 

トマトをやさしく見つめる正之さん

筆者は大のトマト好き。うまかんベェ~トマトの時期には毎日食べるほどの大ファンである。生産者の方の顔を思い出しながら食べるトマトはさらに格別。

糖度の違いによるトマトの食べ比べ 「うまかんベェ~」はダントツに甘い

トマトは9月に苗を定植し、12月上旬から収穫開始。2月下旬から甘味ののった「うまかんベェ~」が出荷され、6月まで続く。半年以上、手間暇かけて育てられる野菜である。

うまかんベェ~の箱売りはトマトとともに愛情も詰まった「箱入り娘」

トマトのおいしさには生産者の方のご苦労や想いがのっていることを改めて伝えたい。ぜひ渾身の“うまかんベェ~”を深谷で買って食べてもらいたい。

うまかんベェ~トマトを…

【購入できる場所】

    • うまかんベェ~トマト…道の駅おかべ(2月~5月)

    [取材者|ふかやさいアンバサダー 牧野悦子]

     

    うまかんベェ~トマトのおすすめレシピはこちら!

      PROFILE

      丸山正之・恵

      • 事業者名/丸山農園

      野菜の楽しさに
      何度も訪れたくなるまちへ。

      肥沃な土地とお日様のチカラに恵まれ、全国有数の野菜・農業のまちとして知られる、ここ埼玉県深谷市。ベジタブルテーマパーク フカヤは、『関東の台所』とも呼ばれるこのまち全体を「野菜が楽しめるテーマパーク」に見立て、何度でも訪れたくなる観光地となることを目指しています。

      深谷へのアクセスはこちら
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