深谷の夏の風物詩ともいえる「とうもろこし」畑。大人の身長を超えるような高さになってきた頃に、実入りの良いとうもろこしを収穫するべく、1株に1つの雌穂を残して2、3つほど摘みとって、栄養を集中させる手間のかかる作業も行っているそうです。勿体無い！と思ってしまいますが、それだけに深谷の農家の方々に丁寧に育てられた「味来」の甘みの虜になっている人も多いことでしょう。

そして夏の訪れとともに「味来」の季節がやってまいりました！研究室の先生がおっしゃっていたのですが、人気ゲーム「桃太郎電鉄」において、深谷に到着すると「ねぎ畑」だけではなく、「とうもろこし畑」も物件として存在していたそうです。調べてみますと深谷駅が初めて登場した、Wii版「桃太郎電鉄16」（2008年発売）で、味来が紹介されておりました。（そこで学んだ人も多いかもしれませんね・笑）

●深谷市の名産品「味来（みらい）」とは？
味来は「ミラクルスイートコーン」とも呼ばれ、甘みが強く粒皮が柔らかく、そのジューシーさが特徴となっています。糖度が16～18度と高く（これは、赤肉メロンと同等レベルの甘さだそうです！）粒のサイズも小ぶりで、思わず果物と勘違いしてしまうほどの甘さです。また、他のとうもろこしと比べて栽培するのが難しく、丁寧な手間と手入れが必要な貴重な品種となっています。

今回は旬の味来を味わうべく、道の駅おかべ（以下ミチオカ）にやってまいりました。まさに農家の方々の「ガンバルベフカヤヤサイ」の思いが、この甘さを生み出しています。

●和食と味来のコラボレーション「お食事処 そば蔵(そばくら)」
ミチオカ内にある「お食事処 そば蔵」。店内はテーブル席と座敷席の落ち着いた雰囲気があり、朝8時から営業しているため多くのドライバーからも愛されている名店です。

そば蔵のロゴマークに隠された秘密をご存知でしょうか。深谷が舞台になったアニメ「リーマンズクラブ」に登場する京都の実業団チーム「ミツホシ銀行」のロゴマークのモデルになっているそうです。
「リーマンズクラブ」ミツホシ銀行
https://rymansclub.com/character/mitsuhoshi/

6月〜7月上旬限定のメニューとして「味来三昧」がございます。

「がっつり」「さっぱり」「こってり」の3つの味わいで味来を堪能できます。

「味来かき揚げ丼」

味来かき揚げは味来と玉ねぎを主として作られており、まず玉ねぎの甘みが口の中に広がり、次に味来の粒が口の中でぷちぷちと弾けていきます。玉ねぎの甘みとは違う、まさに果実のような旨み！
噛み締めれば噛み締めるほど、味来を楽しむことができます。野菜の甘さとタレがとうもろこしを引き立て、小ぶりに見えつつもボリュームがあるので、続く蕎麦が楽しみになってまいります。

「味来おろしそば」

冷たい水でしっかり締められたそばの上には、大根おろしに細く刻まれた大葉、そして味来が載せられています。蕎麦つゆは、好みに合わせて自分でかけるスタイル。これによりそば本来の味わいを確かめつつ、自分好みの味に合わせることができ、バランスがかなり考えられていると感じました。このようなこだわりが随所に感じられます。
よく混ぜてそばを啜ると、大根おろしの辛味と大葉の香りが広がり、最初は味来の存在にあまり気が付かないかもしれません。それもそのはず、味来は「噛み締めてこそ」そのジューシーな果実のような甘みが広がるのです。いつもは啜って食しているそばですが、口の中で味来を探すべくよく噛みしめると、「一粒」が割れるたびに優しい香りと甘さが広がるのです。
一見すると味来が少ししか載っていないのではと思われるかもしれませんが、この量が最適であることを、食べ終えた時に感じられるはずです。そばの香りを打ち消さないためにも、この量が最適解なのだと。まさにさわやかな味わいであり、初夏にこそ食べたいそばと言えるでしょう。

「味来ラー油そば」

冷たい水でしっかり締められたそばの上に、ラー油と白髪ねぎ、そして味来が載せられています。蕎麦つゆをかけ、よく混ぜてそばを啜ると、ラー油のピリ辛感とラー油に含まれているニンニクの風味、そして白髪ねぎの辛みのアクセントが口の中いっぱいに広がります。

よく噛むことで味来の強い甘みが口の中ではじけ、口の中を甘みでコーティングするような、味来の甘さをより一層感じることができます。辛みと甘みが何度も繰り返すことで味来ラー油そばの味の虜になり、あっという間に完食してしまいました。

「味来かき揚げ」

味来かき揚げは、丼に乗っているかき揚げが二つ頂けます。タレがかかっていない状態であるため、サクサク感が残り、丼で食べた時とは異なる印象を受けます。薬味と一緒に頂くことで味来と玉ねぎの甘み、旨味がより際立ちます。

単品で頂いてもよし、そばのトッピングとして注文してもよしの一品となっております。

●味来の魅力をあなたにも
今回はお食事処 そば蔵さんにお邪魔して、味来を存分に味わわせて頂きました。味来は、とうもろこしの中でもかなり甘く、一度食べてみると病みつきになります。

今回頂いた「味来三昧」と「味来かき揚げ」は6月～７月上旬までの限定メニューとなっています。今の時期しか食べられませんので、気になった方はミチオカ内にある「お食事処そば蔵」に足を運んでみてください！

とっても美味しかったです！ごちそうさまでした！！
スタッフ八木原さん「初夏の味来をぜひ食べにきてください！」

取材・執筆：埼玉工業大学 本吉裕之研究室　（担当：竹内直矢）